我々神職にとっては曜日の感覚もさることながら、六曜についてもある程度意識せざるを得ません。しかしそれは六曜を信じているからというよりも、それによって忙しさが変わってくるから、という受け身な理由によるものです。何か予定を立てる時に「この日は大安だからはずして」とか「仏滅だからこの日にしよう」と言った具合です。おかげで神社関係の集まりはかえって日柄の良くないと言われる日の方が多かったりします。そういうわけで私は自分の結婚式も確か大安や友引のような日は避けたのでした。そういう日に招待されると普通は「お日柄も良くて」とお祝いするところですが内心「こんな忙しい日に・・」と陰口を叩かれることも無きにしもあらず(かどうかはわかりません)。
そもそもこの六曜とは中国由来と言われていますが、日本へ入ってからその内容を大きく変え、現在の形になったのは江戸時代も後半になってからだそうです。日の吉凶を見るものとしては他にも十二直や二十八宿と呼ばれるものがありますが、現在ではこの六曜が最も一般的であります。
私としてはこの六曜について積極的に信じていただこうとは思いませんので、ごくごく一般的なことのみをご説明します。質問を受けた時にも、「こういう風に言われています。もし気になさるのでしたらご参考までに」と答えておりますので、そのようにお受け取り下さい。
先勝(せんしょう・さきかち) 午前中は吉
友引(ともびき) 朝夕は祝事に吉
先負(せんぷ・さきまけ) 午後は吉
仏滅(ぶつめつ) 万事に凶
大安(たいあん・だいあん) 万事に吉
赤口(しゃっこう・しゃっく) 正午頃のみ吉
もちろん、一生に一度のお祝い事の機会に出来るだけ良い日を選びたいというお気持は充分ご理解できますし、仮に本人は良くとも周りの人が気にされるということもありますから、皆に気持ち良くお祝いしていただける日を選ぶということを第一に考えて日時を設定して下さい。最近では六曜に関係なく土曜日・日曜日を選ばれる方も多いようです。