神社新報6月25日号に興味深い記事が載っていました。
現存する世界最古の共和国はどこかご存知でしょうか。
西暦301年建国のキリスト教国でイタリア半島の中部に位置し、面積61平方キロメートル、人口約3万人のこの歴史ある小国とはサンマリノ共和国のことです。
同国のマンリオ・カデロ駐日大使が4月に伊勢の神宮を参拝され、それを受けてのインタビュー記事が掲載されていました。
氏は西洋のキリスト教会と日本の神社の違いについて、
キリスト教は神道より装飾的です。どうしてかといふと、昔は一般の人々は字が読めなかったからです。神父さんが絵を使って、キリストがかういふ大変な状態になった、次はかう、その次はかうと説明する。だから、装飾的になったのです。聖像が多い。想像し易くするといふことが、根底にあります。
それに比べ、神宮は特にさうですが、神道全般にシンボルが余りなく、神々が自然のそのままに感じられます。太陽、月、空、気、風、雨、海、山、木に神が宿ってゐる。私も神様はネイチャーだと思ひます。
と述べておられます(誌面は旧仮名遣い)。
日本の神社が装飾的な西洋の教会と違って総じてシンプルで恭しい雰囲気があること、また西洋の王宮と日本の御皇室の宮殿の違いにも通じるところがあるということだそうです。
同じく長い歴史を持つ国同士、お互いの伝統文化を尊重され、それだけに近年の日本人が旧来の美徳を失いつつある風潮を残念に思われているようです。
そのサンマリノ共和国では、神武天皇の御肖像を用いた金貨が10月頃に作られるそうです。なんでも西洋で漢字の刻まれた金貨が作られるのは初めてのことだそうで、また来年には伊勢の神宮をモチーフにした銀貨も作りたいということでした。
「日本の国は君主国であり、2667年続いている」とギネスブックに載っていることを、この記事を読んで、外国の大使の方に教えられて、恥ずかしながら初めて知りました。